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【2015.04.09】4/5開催 “DSD5.6MHzライブストリーミング配信・パブリックリスニング!”ご報告と御礼2020.11.28過去開催イベントアーカイブ

【2015.04.09】4/5開催 “DSD5.6MHzライブストリーミング配信・パブリックリスニング!”ご報告と御礼

そして、その日はやってきました。
「東京・春・音楽祭」に合わせて行われた、DSD5.6MHzライブストリーミング配信実証実験。

オリオスペックでもAM11:00に合わせてリスニングを開始しました。
バッファリングからサウンドが流れるまでの10秒ほどの時間、ドキドキです。

この日、オリオスペックの環境に限ると、日本の配信サーバからのストリーミングは朝から驚くほど安定していました。DSD128(5.6MHz) らしい空気感あるサウンドで素晴らしかったです。ネットワークごしのリアルタイム配信というのが、ちょっと信じられない気分。

事前検証では、平日16時30分を過ぎたあたりから夜にかけて DSD64(2.8MHz) でも途切れ途切れの状態でした。が、本番は第四部が終了する18時まで、DSD128(5.6MHz) でほぼ途切れず、泣けちゃうほど素晴らしい様相。途切れたのに気が付いたのは、第三部終了直前の1回だけ。約10秒ほどの再バッファで復旧です。

オリオスペックの周囲の方では、「自宅試聴で全然上手くいかなかった」という方もいらっしゃいましたし、会場でも同じようにストリーミングをモニターしていたらしいのですが、噂で聞く限りではそこでも切れていたとのこと。今回は運が良かったのか? どうあれ、本番に強いオリオスペック(笑)

午前中の第一部開始から午後初っ端の第二部終了まではお客様がほとんどいらっしゃらず、言うならば身内だけのようなものだったので、のんびりまったりした雰囲気。

折角の機会なので、リソースモニターやパフォーマンスモニターで状態をチェックしたりWiresharkを使ってパケットキャプチャを行いながらストリーミングの挙動を観察したり、tracertで配信サーバからの経路を確認したり。みんな寄って集ってのやりたい放題w
あと、日本以外の配信サーバからのストリーミングをテストしてみたり、同一LAN内の別クライアントPCからもう1セッション張ってみた時の再生状態を観察したり、もしてみました。好き物が集まってる時間でしたので、まあ “興味本位のデータ取りタイム” という感じです。

試聴イベントらしい体裁が整ったのは第三部でした。
一般のお客様に加え、某大学でオーケストラ部に所属されている男女7人の皆さんと一緒にのんびり音楽を楽しむ方向へシフト。題名のついてる鑑賞会、そんな気分です(笑)

ほぼすべてのお客様はご自分で楽器を演奏なさる方でして、オーディオマニアの方ではありません。おまけに、ハイレゾ・DSDについてもほとんど馴染みのない方ばかり。この点、普段オリオスペックのイベントにご参加頂くお客様とはまた違う層ですね。そんな若いアマチュア演奏家の皆さんが感じるDSD5.6MHzライブストリーミング配信、実際どんな印象をお持ちになったのか伺ってみました。その感想もいつものものとは一味もふた味も違っています。コメント、本当に驚かされた次第。

少しご紹介しますと・・・

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すごく良かった!音自体が立っているというか、一音一音が立体的な感じというか、空間をもっているような感じがした。個人的な感想をいうと、Fl(フルート)とかpicc(ピッコロ)がみずみずしくて聞き惚れた。
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聴いてみて、ホールにいるような感覚を味わえた。
特に、ピアノの演奏を聴いたとき、ピアノの音がまっすぐ伝わるような蓋側(音がよく響く方)にいる気分。あと、譜めくりをする人が居るんだけど、歌とのデュエットの時には舞台の中にいるような気分に。
室内楽になったときも、タッチや弦のかすれ、全部の楽器が上手くハモっているところ、ホールよりも細かく聞こえてよかった。
演奏楽器や規模によって、ホールにいるとこのあたりかな・・・というように聞こえ方が変わったように感じた。
ただ、演奏を録音(?)して聴いているので、ホールで自分で好きな場所をとって聴いている時とは違い、どんな時もハモった一定の綺麗な聞こえ方をしてるのがちょっと残念かも、と思った。スピーカーの向きや音量を調節すると、低音寄りで聞こえたり2階席にいるような気分が味わえたり・・・ともっと楽しめるんじゃないかなっと。個人的にはとても好きな感じだったので、家で試してみたくなった。
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DSD特有と言うか、録音環境の空気感をまとめて録っている様な気がするので、その全体の空気感が丸ごとスピーカーから出てくる感覚を持った。が、そのまとまった空気感が再生環境下の空気感に溶け込むまでに時間がかかるというのか、そこに厚い層が1枚あるな、とも同時に感じている。
録音環境下で既に完成された空気感をそのまま再生環境下に持ってくる事により生じる違和感?の様なものも感じた。
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他にもこんな声がありました。

「ピアノのペダルを踏んだとき、気が付きます」
「声楽の時の息づかい、聴こえる」
「ピアノ、ちょっとミスタッチしてた。となりのキーに少しだけ触れた瞬間、わかった」
「演奏者、一瞬気が抜けた瞬間があったのに気が付いた」
そうそう、「DSDで自分たちの演奏を録音されるのは正直コワイ」 とのご意見も(笑)

楽器の向きや演奏時の操作の際の音など、「気配や空間」という部分すらちゃんと読み取っていらっしゃるのですねー。
「現地ホールの空気感と再生環境」に対する視点は個人的に興味深いです。もうちょっと詳しく伺ってみたい気分。演奏家視点をベースにされた皆さんのコメント、ハイレゾ・DSDに関わる私たちは非常に勉強になりました。率直な感想をお伺い出来てうれしいです。ご参加の皆さまに心より感謝致しております!

構成される楽器の多さから来る音域の広さや音色の多彩さ、ピアニシモからフォルテシモに至る小音量から大音量の差など、クラシックは音楽としての構成要素がより多く詰まっていますから、今回の実験としては好ましい選択だったのかもしれませんね。

配信状態がよかったので、なかなか楽しかったです。
再現力、従来のストリーミングとは別次元だったんじゃないかと。
もっとお客様が関心を持ってくれればいいのにね、と皆で話していたくらい。
今週11日土曜日深夜のベルリンフィル中継が待ち遠しい気分です。

以上、取り急ぎのご報告です。

 

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