音暮のBluetoothスピーカーもいろいろ ~ その違いと使いこなし2020.12.21音と暮らし
ライフスタイルへ違和感無く溶け込むBluetoothスピーカーを主に扱っている音暮なのですが、単純にBluetoothスピーカーと言いましても、実はそれぞれがちょっとした個性を持っていること、皆さまはご存知でしたでしょうか。
今回は、音暮おススメの代表的なBluetoothスピーカーを三機種ほどピックアップして、それぞれが持ちうる個性や適性を簡単にご紹介したいと思います。ご検討の際の参考として、またご購入後の使いこなしのヒントとして頂けますと幸いです。
▽いにしえのポータブルラジオを彷彿させるデザインとサイズ、Geneva Turing XS
机の隅っこにちょこんと置くのがとてもよく似合う、Turing XS。音暮でも最もリーズナブルなプライスのこの小さなスピーカーは、スイスのブランドGenevaの手によるもの。手のひらに乗せることすら出来る程度の大きさとミニマリストなデザイン、そして精密感溢れるソリッドな造りの素晴らしさは、そんなお国柄にもあるのかもしれませんね。
誰もが「カッコイイ」と感じるデザインの他にもGeneva Turing XSの特長を深く見ていきますと、少々面白い個性が見えてくるんです。
このスピーカー、自分の手元から数十センチの位置に配置して聴いてみると最も魅力的なサウンドで楽しむことが出来ます。平たく申しますと、座っているところから伸ばした手で届く範囲となりましょうか。
コーヒーテーブルの上でもワークデスクの上でもその端っこあたりにちょこんと置いてあげながら、Bluetoothでペアリングしたスマホやタブレットを片手にその画面のサウンドを聴くと、小さな画面であっても中々な臨場感を味わうことが出来るんです。
これ、スマホやタブレット内蔵のスピーカーで聴くのとは大違いなこと、きっと実感して頂けるはず。もちろん自分の至近にスピーカーが存在していますので、大きな音量にする必要などありません。近距離の直接音、且つ小音量で楽しく聴けるサウンドにチューニングしてあるのが、このGeneva Turing XSの最大の特長なんです。
そんな使い方であれば、映画にアニメに、旬のオンラインライブ配信にも日中夜間を問わず大活躍してくれるはず。ワンルームにお住まいの皆さんやご自身のパーソナルルームで、誰にも気兼ねせずに楽しめること請け合い。「マイ・ファースト・パーソナルスピ―カー」としての適性はバツグンなんです。
▽ナチュラル&オーガニックなスタイリング、Tivoli Audio Model One BT
ウォールナットのウッドエンクロージャーに四方を覆われ、シンメトリーに配置したFM/AMラジオの丸いチューニングノブとスピーカーユニットの姿が美しい Model One BT。あたたかくそしてやわらかいナチュラルテイストなこのモデル、アメリカ Tivoli Audioの看板でもあります。レトロモダンなスタイルは和洋アジアンいずれのお部屋にもマッチングがよさそうですよね。
見た目のやさしさ同様に、そのサウンドはキツさを感じることが一切無いウォームトーン。ジェントルな聴き心地ですから、耳だけでなく心にとっても身体にとってもきっとリラックスできる時間をたっぷり与えてくれるはず。
そんなModel One BTの特長を踏まえつつ、お部屋のどこに設置するのがしっくり来るのか少し考えてみましょう。Model One BTの安らぎを与えてくれるサウンドは、お部屋全体の空気に馴染ませるかのように鳴らしてみてはいかがでしょう。
聴取距離に依存してしまうサウンド基調ではありませんから、お部屋に漂うサウンドを少し離れた位置から間接音のように耳にすると大変心地がよいと思います。
特に人の声がやさしく美しく響きますので、映画やアニメ、落語や漫才にコント、ラジオDJやYoutuberのコンテンツをのんびり楽しむのなんてなかなかよろしいかと。
スピーカーだからといって、適性は音楽だけに留まらないのがTivoli Audioのサウンドの特長と言えましょう。
お部屋に設置する場合は、特にローボードや棚の上にちょこんと置いてあげるようなスタイルがよろしいかと。室内の空気全体に満遍なく馴染むサウンドですから、Model One BTの置き場所が聴取位置から見て真正面に正対していなくても何ら問題はありません。
ですので、設置上の距離と位置についてはとても自由度が高いはず。(Bluetoothで接続されるスピーカーとスマホ・タブレットの距離が概ね8~10m以内であれば、大抵の場合は問題なく繋がると思います)
但し、一点だけ。特に注意深く配慮して頂きたいのは棚の中に設置する場合です。お部屋全体にサウンドを漂わせる以上、出来ればスピーカーのフロント面がお部屋の空気に広く大きく触れていることが望ましいのです。
が、棚の中に収納してしまう場合、あまり奥のほうに押し込んでしまうと棚の中で不必要に音が反響してしまうだけとなって、サウンドがお部屋の空気にあまり美しく馴染んでくれなくなります。すると、細かい音もぼやけて聴こえにくくなりますでしょうから、ついついと無駄に音量を上げてしまうことにもつながります。
このような設置を行う場合は、Model One BTをできるだけ棚の前の方に設置してあげてください。すると、棚の中に設置するディメリットが大きく緩和されるはずです。またModel One BTの奥にも本などのモノを収納してしまって、棚の中の空間を少なくしてしまう方法も効果的でしょう。
かなり広いスペースにおいても十分に聴取エリアとすることができるModel One BT。
リビングに設置してご家族皆さんでお使いになるのもよし。お店のBGMスピーカーとするもよし。もちろんパーソナルユースでもよし。環境適合性の大変豊かな「マルチロールパフォーマー」と表現できましょう。
▽名だたるデザイナーが裏付けるハイブランドとしての格式、Bang & Olfusen A1
スタイリッシュなハイブランドとして世界でも大変知名度の高いデンマークのBang & Olfusen。その中でもリーズナブルなラインのアイテムが、このA1です。
厚みの少ない直径14cm程度のサークルエンクロージャーのインナーには、中低音を司るスピーカーユニットと高音専用のスピーカーユニットが同居しておりまして、このような2wayユニットスタイルからするとまるでハイファイオーディオラインのスピーカーのよう。サークルエンクロージャーのアッパーには上質な革紐がついていて、その革紐を使ってお部屋のどこにでも掛けることが出来ます。ですから、夢の壁掛けスピーカーがあなたのお部屋でもいとも簡単に。よって、わざわざスピーカーの設置位置を作り出す必要もないんです。
オーディオ的に見て2wayのスピーカーユニット構成のスタイルは、高音が伸びやかで細かい音もより聴き取りやすくなるオーディオ的効果をもたらします。歯切れのよいサウンドですから、ギターなどの楽器のサウンドを耳でしっかり追いかけたい方などには適性がよろしいかと。
Bluetoothスピーカーの中でも独創的なデザインとなる、このA1。その独創性を活かすため、これも設置する場合には少しだけご配慮いただきたいことがあるのです。それは、A1の背面を出来るだけ壁に近づけておくこと。サークルエンクロージャーの背面をぴったり壁にくっつけるのが最も望ましいように思います。
このような設置の仕方は、壁による音の反射を利用して、特に中低域の聴感上の厚みをプラス方向へアシストさせる「バウンダリーエフェクト」と呼ばれたセッティング手法なのですが、この「バウンダリーエフェクト」を利用したA1のサウンドは、特長である高音域のアクセントから始まって、音楽の味が密に詰まる中低域までもれなく上手に表現されているはず。
背面の壁が無い場合はサウンドバランス的に中低域が少し薄く、伴って高音が少々強めに感じるでしょうから、スピーカー背面の壁を上手に利用するような置き方を是非工夫してみてください。
もちろん、A1を上向きにした状態でテーブルの上に置くのも同様の効果を実現出来ると思います。置き場所を選ばない便利なスピーカーですが、ほんの少しだけの工夫していただくくことで、なかなかのサウンドにチューンできると思いますよ。
▽もしBluetooth接続で動画を見ているときに・・・
Bluetoothで動画の音声をリスニングする場合、Bluetooth規格の仕様上の理由で画よりも音が若干遅延するケースがあります。一般的にさほど気にならない程度の遅れで収まることがほとんどなのですが、万一画像と音声が著しくずれてしまっている場合は、以下の回避策をお試しください。
<その1>
スマホやタブレットの中において既に完了しているペアリング設定を一旦完全に削除してしまい、未設定状態から改めてペアリングの新規設定を実行してください。
このときペアリングしたい機器以外からBluetoothの電波が出ている場合は、電波干渉防止の観点から念のため一旦すべて停波しておいた方が望ましいでしょう。
またスマホ側で完全にペアリングが完了しているように表示されていても、実は不完全な状態で結びついている場合が多々あるのです。
特にBluetoothスピーカーの近くでも時々音が切れたりする症状が合わせて出ている場合は、何度か“削除⇒再ペアリング”の操作を繰り返してみてください。
iPhoneやiPadをご利用の方は、接続相手のスピーカーメーカーや機種を問わずこのような事例がしばしば発生することを確認しています。接続に不安定さを感じられる時は、事象が収束するまで何度かペアリング動作を繰り返してみてください。
<その2>
複数回の再ペアリングの実行後でも遅延が収束しない場合は、音声ケーブル(別売品)を使って有線でスピーカーと接続してみてください。Geneva Turing XSやTivoli Audio Model One BTは、リアパネルにAUX入力端子(アナログ音声入力端子)を持っています。単なるBluetooth接続専用スピーカーに留まらないのが、実はこれらのモデルのストロングポイントと言えるのでした。
ケーブルの両端がステレオミニプラグになっているアナログ音声接続ケーブルを使って、スマホやタブレットのヘッドフォン出力端子からスピーカーの背面の端子に接続してください。ちなみに同種の接続ケーブルはダイソーさんでも100円で販売されています。また、組み合わせて使える長さ延長専用ケーブルも用意されているようです。ここぞという時にはとても役に立ちますので、是非ご利用ください。
スピーカーのAUX入力への切替操作ですが、Geneva Turing XSやTivoli Audio Model One BTの場合はBluetooth入力にしておけば特段必要ありません。
この背面の端子にケーブルが接続させるとAUX入力からの音声を、ケーブルを外すとBluetooth入力からの音声を自動で再生します。AUX接続側のいわゆる排他的な自動切替え式です。